法人の会社更生とは?手続きの流れやメリット・デメリットを解説

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中小企業経営者にとって、経営不振に陥った場合の対処法は悩ましいものです。

倒産手続きの中で、会社更生は借入金を大幅に減額しながらも会社を残せるというメリットがあります。

しかし、他の手続きに比べて費用が高額で、経営権が管財人に引き継がれるといったデメリットも存在します。

今回は会社更生の手続きの流れやメリット・デメリットについて解説するので、ぜひ検討してみてください。

会社更生とは

会社更生は、債務超過や支払不能に陥ってしまった会社が利用できる手続きです。

裁判所が選任した「更生管財人」が会社更生計画を作成し、利害関係者の決議を受けて、会社の再出発を目指します。

計画には「借入金の大幅な減額」が含まれる場合もあります。

債権者としてはできれば認可したくないのが本音ですが、「会社を清算されるよりも回収できる金額が増えるだろう」と判断すれば賛成します。

なお、会社更生を利用できるのは株式会社のみで、同じ法人格でも合名会社・合資会社・合同会社などは手続きの対象になりません。

手続きの流れ

会社更生の手続きは以下のように進みます。

会社更生の流れ

  1. 更生手続開始の申立て
  2. 債権調査
  3. 更生管財人が更生計画案を提出
  4. 更生計画の遂行
  5. 更生計画の終結

会社更生は他の手続きよりも複雑なため、終了までに時間がかかります。

会社更生を検討している段階で弁護士に相談するのがベターです。

会社更生のメリット

倒産手続きの中には会社の解散(消滅)が求められるものもありますが、会社更生は「会社の再出発」が目的のため会社自体は存続できます

債務を大幅に減額可能な上に担保の行使にも制限をかけられるので、会社の財産(資源)を残しやすいのも特徴です。

会社更生のメリット

  • 会社を存続できる
  • 借入金を大幅に減らせる
  • 担保の行使に制限がかかる

詳しく見ていきましょう。

会社を存続できる

会社更生の大きなメリットは、会社を存続させることができる点です。

中小企業が負債超過に陥った場合、特別清算や破産といった手続きが選択肢として挙がりますが、会社は解散することになります。

しかし、会社更生を選択すれば会社を存続できるのです。

従業員の雇用を維持できますし、会社が持っているノウハウやブランドイメージも守れます。

また、会社更生が認可されると、合併や増資・減資・取締役変更など、さまざまな改革を容易に進められます。

研究員:柳沢
会社更生なら、経営改善を図りながら会社を残せるんですね。
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借入金を大幅に減らせる

会社更生計画の内容によっては借入金を大幅に減らせます。

支払不能や債務超過に陥っている会社としては助かりますが、「本当に減額が認められるだろうか?」と不安になるかもしれません。

債権者としては債務の減額によって損失が発生するため、会社更生に反対する場合もあるでしょう。

しかし、会社更生を経て債務が大幅に減少すれば、企業活動を継続でき、経営改善の余地が生まれます。

「そのまま会社を解散されるよりも債務を回収しやすくなる」と判断すれば、会社更生を受け入れる場合があります。

会社更生は会社を存続させながら借入金を大幅に減らせるため、借入金の返済に苦しんでいる場合には有効な手段と言えます。

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担保の行使に制限がかかる

民事再生など他の手続きでは、手続き外で担保権が実行できますので債権回収されるケースもあります。

通常、会社の土地や建物・重機を担保に設定しているため、強制的に処分されてしまえば会社の存続が厳しくなってしまうでしょう。

しかし会社更生手続きを行うと、担保権も手続き内に取り込まれることになります。

担保権の行使に制限をかけられるので、会社を存続させるための大切な手段のひとつといえます。

会社更生のデメリット

会社更生はメリットが大きいように感じますが、デメリットも存在します。

会社更生のデメリット

  • 費用が高額
  • 経営陣は退陣する

会社更生を選ぶべきか、他の倒産手続きを選ぶべきか、判断するのは難しいでしょう。

できれば早めに弁護士など専門家に相談することをおすすめします。

費用が高額

会社更生を開始するにはまず裁判所に手続きを申し立てますが、その際に数千万円の予納金が必要になることがあります。

会社更生を検討しているということは経済的に厳しい状態ですから、大金を工面するのは現実的ではないでしょう。

費用を抑えたい場合は特別清算など他の方法も検討しましょう。

研究員:柳沢
状況に合った選択をするために専門家のアドバイスを受けてください。
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経営陣は退陣する

会社更生によって、経営権や財産の処分権は管財人に移ります。

これまでの経営陣は退陣することになるため「引き続き会社を経営したい」と思っている方には向いていません。

経営陣が現状維持を望む場合は民事再生を検討しましょう。

どちらの手続きを選択するかは会社の状況や経営陣の方針によって異なるため、よく検討する必要があります。

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まとめ

今回は法人・会社の会社更生について解説しました。

会社を存続させながら負債を整理できるというメリットは大きく、経営改善の一助となることでしょう。

ただし、高額な費用や旧経営陣の退陣といったデメリットも存在するため、慎重に検討する必要があります

研究員:柳沢
会社更生は経営不振から脱出するための有効な手段ですから、弁護士と相談してみてください。