中小企業経営者にとって、銀行融資やビジネスローンの返済が滞ってしまうことは非常に厳しい状況です。
そんな中、対応策として注目されているのが「リスケ(リスケジュール)」です。
今回は融資におけるリスケの意味や、メリット・デメリットについて解説していきます。
リスケを活用して経営再建に向けた道筋を立てるために、ぜひ参考にしてください。
返済リスケとは?
リスケ(リスケジュール)は、銀行融資やビジネスローンの返済の負担を軽減する方法のひとつです。
具体的には、「月額返済額を当面の間減額する」「返済期限を延長する」などの返済条件を変更してもらいます。
ただし、リスケは銀行や貸金業者との交渉が必要であり、返済能力や信用度によって受けてもらえるかどうかが左右されます。
返済が苦しい場合はまずは銀行や貸金業者に相談し、リスケの可否を確認してみましょう。
リスケ交渉の流れ
銀行や貸金業者とのリスケ交渉は以下のような流れで行います。
リスケ交渉の流れ
- 銀行や貸金業者へ相談する
- 現在の債務状況や返済計画などについて説明する
- 収支計画書や事業計画書、財務諸表などの書類を提出する
- リスケジュールの審査が行われる(数日から数週間程度)
- リスケジュール(返済条件)の内容が提示される
- 借入金変更契約書などを締結してリスケ実行
リスケに応じてもらうためには、資金繰りや業績を改善するための具体策や証拠を用意する必要があります。
リスケのメリット
リスケを受けると、資金繰りが楽になります。
具体的には、以下のようなメリットが挙げられます。
リスケのメリット
- 借り換えよりコストがかからない
- 経営を立て直す時間がもらえる
- 差し押さえや競売を回避できる
詳しく見ていきましょう。
借り換えよりコストがかからない
返済が苦しくなったとき思いつくのが借り換えですが、新たに金利や手数料が発生するため返済負担が増えることがあります。
しかしリスケなら元々の借入金額や金利が変わらないため、コストの増加は抑えられます。
経営が苦しい状況の中、さらに返済の負担が増える借り換えよりも、リスケを選べると助かりますね。
経営を立て直す時間がもらえる
返済が困難ということは従業員への給与や支払い先への支払いも厳しい状態かと思います。
「倒産」という選択肢も頭をよぎるかもしれません。
しかしリスケで返済期限が延長となれば、経営を立て直す時間的猶予を得ることができます。
月額返済額の減額では、現在の経営状況に合わせて返済負担も軽減してもらえます。
差し押さえや競売を回避できる
「融資を返済できないから」と何も言わずに未払い・滞納を続けていると、最悪の場合、差し押さえや競売を実行されます。
給料や預金・自動車・株券などが没収されれば生活面にも影響が出ますし、何より従業員や取引先に心配をかけてしまうでしょう。
しかしリスケを依頼すれば返済の意思があると伝わるため、基本的に財産没収は回避できます。
返済が困難だと分かった時点で、できるだけ早く融資担当者に連絡すると良いでしょう。
リスケのデメリット
返済が苦しい中小企業経営者にとってリスケは大きな助けとなりますが、残念ながらデメリットもあります。
リスケのデメリット
- 新規融資が難しくなる
- 短期間で経営改善する必要あり
- 返済が長期化する
デメリットも確認した上で、リスケを申し込むべきか考えてみましょう。
新規融資が難しくなる
リスケを行うと、新規融資が難しくなると言われています。
貸金業者や銀行は、返済能力が不安定な会社や信用度が低い会社には新たな融資に消極的になります。
リスケを申し込むということは経営状態が芳しくない証拠ですから、今後の資金調達に影響を与えることがあるため注意が必要です。
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短期間で経営改善する必要あり
リスケはあくまでも一時的な対処方法で、貸金業者や銀行は一定期間内に返済能力を回復させることを期待しています。
具体的には半年から1年以内に経営改善を求められます。
「リスケ中に会社を立て直さなければいけない」という大きなプレッシャーがかかるでしょう。
返済能力の改善に向けた具体的な計画を立て、その計画を実行していく覚悟が必要です。
返済が長期化する
毎月の返済額を減らすと返済期限が延長されるため、元本や利息を長期間にわたって支払うことになります。
そのため返済総額が増加するケースもあり、完済まで時間がかかってしまうでしょう。
その分新規事業の立ち上げや事業拡大に資金を回せず、会社の成長が遅くなるかもしれません。
リスケは資金繰りが一時的に楽になるものの、将来を考えると安易に決めるのは避けたいですね。
まとめ
リスケ(リスケジュール)は融資返済が苦しくなったときの対応策としておすすめできます。
返済負担を減らし、経営立て直しのための猶予を得ることができるため、一度担当者と相談してみてください。
ただし、デメリットも理解し、慎重に判断する必要があります。
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