返済不要?助成金・補助金で資金調達したい!仕組みや注意点を確認

返済不要?助成金・補助金で資金調達したい!仕組みや注意点を確認

資金調達したいが、返済を考えるとためらってしまう…そんな経営者におすすめなのが、助成金と補助金です。

助成金・補助金は厚生労働省や自治体が事業者を支援する制度で、原則返済しなくてよいという特徴があります。

助成金・補助金をしっかり理解していれば、会社経営に大きく役立つでしょう。

そこで今回は助成金・補助金について、仕組みや注意点を紹介します。

助成金・補助金は返済しなくていい

助成金・補助金は原則、返済義務がないのがメリット。

融資と違って返済の心配をしなくていいため、中小企業や個人事業主には嬉しいですよね。

ただし、申請内容に虚偽があったり不正目的で申請したりする場合は返還を求められます。

助成金・補助金を返還しなければいけないケース

  • 助成金・補助金を目的の用途以外に使った
  • 助成金・補助金で取得した設備などを譲渡や担保とした
  • 虚偽の申請で助成金・補助金を受給した
研究員:柳沢
基本的には、助成金・補助金は条件を守っていれば返済する必要はないお金と思ってよいでしょう。

助成金と補助金の違い

助成金と補助金はどちらも返済不要という点では同じですが、仕組みについては少し異なります

まずは助成金と補助金の違いについて簡単に確認しておきましょう。

助成金の仕組み

助成金とは、厚生労働省が管轄していることが多く、雇用や人材育成に取り組む事業者に給付するお金です。

要件を満たしていれば、申請すると必ず受給できます。

※ただし、雇用保険や労働条件などが整っていないと受給できない場合があります。

助成金の流れ

  1. 書類提出(申請)
  2. 審査・交付決定
  3. 助成対象事業を行う
  4. 助成金が支給される

代表的な助成金は「キャリアアップ助成金」や「雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)」です。

補助金の仕組み

補助金とは、中小企業や個人事業主を支援するために、国や自治体が給付するお金です。

主な対象者は、技術開発や地方経済の活性化など政策に沿った取り組みをする事業者です。

予算が決まっているため、申請してももらえない可能性が高いという特徴を持ちます。

補助金の流れ

  1. 公募が始まる
  2. 審査、採択案件が決まる
  3. 補助対象事業を行う
  4. 補助金が支給される

代表的な補助金は「ものづくり補助金」「小規模事業者持続化補助金」「IT導入補助金」です。

助成金・補助金の注意点

資金調達したい経営者にとって、返済義務のない助成金・補助金は魅力的です。

しかし、知っておかなければいけないデメリットも存在します。

ここからは助成金・補助金の注意点を紹介します。

助成金・補助金の入金は半年〜1年後

助成金や補助金の受給が決まっても、実際に入金されるまでは半年から1年程度かかります

事業に取り組んでいる間、発生したコストは先に支払う形となります。

そのため、助成金や補助金をあてにした資金繰りはできないと考えてください。

資金的に苦しいから助成金・補助金を受けたいのに…という方は、日本政策金融公庫の融資制度を検討するとよいでしょう。

例えば「経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)」なら申し込みから入金まで1ヶ月程度です。

詳しくは日本政策金融公庫の窓口にて相談してみてください。

参考:経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)|日本政策金融公庫

助成金・補助金を受給してから検査が入ることも

助成金・補助金をもらったからといって安心してはいけません。

事業実施後は報告書や支払証憑類を提出しなければならず、検査が入ることもあります

目的に沿っていない領収書や記帳されていない取引が見つかると、返還となるケースも…。

研究員:柳沢
助成金・補助金を検討している段階で、専門家に相談しておくとベターです。

助成金は要件を満たせばもらえるが、要件が厳しい

助成金にはさまざまな種類があり、それぞれ受給するための要件が定められています。

要件を満たして書類を提出すれば基本的に助成金はもらえます。

しかし、助成金の要件は細かく決まっていて、クリアするのは厳しいと感じるでしょう。

例えば「雇用調整助成金」では、直近3ヶ月の生産指標(売上高など)が前年同期と比較して10%以上低下していることが要件となります。

助成金の要件を正確に把握した上で申請するようにしましょう。

補助金の公募期間は短く、準備が大変

補助金は予算(上限額)や件数が決まっているため、抽選や先着といった公募方法を用いることがあります。

さらに公募期間が短く、突然募集が始まるケースも多く、人気の高い補助金であれば公募期間前に終了する場合も…。

気になる補助金を見つけても、実際にもらえるとは限りません。

補助金を受けたいなら、国や地方自治体のホームページを定期的にチェックし、できるだけ早く書類に取り組みましょう。

まとめ

今回は助成金・補助金について、仕組みや注意点を紹介しました。

助成金も補助金も原則返済義務はなく、融資と違って返済計画を立てなくてよいのは嬉しいですよね。

ただし、メリットだけでなくデメリットを理解する必要があります。

助成金・補助金の注意点

  • 助成金・補助金の入金は半年〜1年後
  • 助成金・補助金を受給してから検査が入ることも
  • 助成金は要件を満たせばもらえるが、要件が厳しい
  • 補助金の公募期間は短く、準備が大変
研究員:柳沢
助成金・補助金を正しく理解した上で、活用すべきか考えてみましょう。