日本政策金融公庫の融資を受けるには?審査は甘い?審査落ちする人の特徴

日本政策金融公庫の融資を受けるには?審査は甘い?審査落ちする人の特徴

「日本政策金融公庫の審査は甘い」「日本政策金融公庫なら借りやすい」といった噂を耳にした方へ。

確かに日本政策金融公庫は銀行融資より審査が通りやすく、売上が低迷した中小企業や個人事業主にもおすすめできます。

ただし、申し込めば必ず融資が受けられるという訳ではありません。

そこで今回は日本政策金融公庫の融資を受ける前に知っておきたい情報をまとめました

日本政策金融公庫の融資を受けるには?

まずは、日本政策金融公庫の融資を受けられる人や利用の流れを確認しましょう。

日本政策金融公庫の条件

日本政策金融公庫の融資制度にはいくつかあり、それぞれ条件が異なります。

例えば「経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)」が利用できるのは以下のいずれかに該当する中小企業となります。

経営環境変化対応資金の条件

  • 決算売上が前期または前々期と比較して5%以上減少している
  • 最近3ヵ月の売上高が前年同期または前々年同期と比較して5%以上減少、今後も売上減少が見込まれる
  • 純利益額または売上高経常利益率が前期または前々期と比較して悪化している
  • 取引条件が回収条件の長期化や支払条件の短縮化などにより0.1ヵ月以上悪化している
  • 社会的な要因によって一時的な業況悪化となり、資金繰りが苦しい
  • 決算期において、赤字幅が縮小したものの税引前損益または経常損益で損失を生じている
  • 前期の決算期において税引前損益または経常損益で損失を生じていて、最近の決算期でも利益準備金および任意積立金等の合計額を上回る繰越欠損金となっている
  • 前期の決算期において税引前損益または経常損益で損失を生じていて、最近の決算期でも債務償還年数が15年以上である
研究員:柳沢
条件は融資によって異なるため、日本政策金融公庫の融資制度を探すページから詳細を確認しましょう。

日本政策金融公庫を利用する流れ

日本政策金融公庫を利用する流れを説明します。

日本政策金融公庫を利用する流れ

  1. 日本政策金融公庫の窓口に相談する
  2. 申し込みする(会社案内や納税証明書を提出する)
  3. 審査を行う
  4. 融資決定・契約手続きを行う
  5. 返済する(基本的に口座からの自動振替)

「まだ日本政策金融公庫にするか決めていないんだけど」「どういった融資があるか知りたいだけ」といった場合は予約相談を受けましょう。

詳しくは予約相談ページをご確認ください。

日本政策金融公庫の審査は甘い?

銀行融資では業績が芳しくない中小企業は審査に通らないケースがほとんどですが、日本政策金融公庫は比較的通りやすいと言われています。

日本政策金融公庫には中小企業や個人事業主に向けたさまざまな融資が用意されていて、他の金融機関の審査に落ちてしまった人でも融資してもらえる可能性があります。

日本政策金融公庫はさまざまな融資を用意している

  • 売り上げが低下してしまった会社向け→経営環境変化対応資金
  • 新規開業する人向け→新規開業資金
  • 事業再生を行った人向け→事業再生・企業再建支援資金
  • 会社を継がせたい人向け→事業承継・集約・活性化支援資金
  • 地震や台風で被害を受けた人向け→災害復旧貸付
  • コロナの影響で売上が落ちた人向け→新型コロナウイルス感染症特別貸付
研究員:柳沢
「私でも大丈夫かな?」「ウチの会社でも利用できる?」と気になった方は日本政策金融公庫の窓口まで問い合わせてみてください。

日本政策金融公庫の審査に落ちてしまう人の特徴

日本政策金融公庫の審査は緩めですが、「明らかに返済能力がない」「事業の将来性が期待できない」などの場合は落ちてしまいます。

ここからは日本政策金融公庫の審査に落ちてしまう人の特徴を紹介します。

個人信用情報に傷がある

日本政策金融公庫は中小企業・個人事業主の経営状況をチェックしますが、申込者本人の信用情報も調べます

信用情報とはクレジットカードやカードローンなどの申し込み・利用履歴などを記録している情報を指します。

この信用情報に事故情報が登録されていると、融資の可否に大きく影響します。

信用情報に事故情報が登録されていませんか?

  • 携帯電話の利用料金を延滞した
  • 債務整理の手続きをした
  • 自己破産手続きをした
  • クレジットカードを延滞して強制解約された

事故情報は原則5年間記録されているので、できれば事故情報が消えてから申し込んだ方がベターです。

経営計画が現実的ではない

日本政策金融公庫の審査では事業計画書の提出を求められます。

事業計画や創業計画で売上や利益見込みを確認し、今後返済していけるかどうかを判断するためです。

根拠のない売上予測では返済が期待できず、融資を断られる原因を作ってしまいます。

経営計画の現実味・説得力を増すために、専門家にサポートを依頼しましょう。

司法書士や税理士・中小企業診断士などに相談し、誰がみても納得できる事業計画にブラッシュアップしていきましょう。

自己資金が少ない

日本政策金融公庫の融資によっては、「自己資金が確認できること」を条件とするものもあります

「一時的に家族や親族から借りておけばいいのでは」と思うかも知れませんが、口座のお金が急に増えると不審に思われてしまいます。

半年分の普通預金通帳などを確認されるため、計画的に自己資金を貯めておくとよいでしょう。

まとめ

今回は日本政策金融公庫の融資を受ける前に知っておきたい情報をまとめました。

日本政策金融公庫は中小企業や個人事業主に向けた融資をいくつも用意しているため、他の金融機関で断られた人もお金を借りられる可能性があります。

ただし、申し込んだ人全員が審査に通る訳ではなく、「返済能力が足りない」と判断された場合は断られてしまいます。

研究員:柳沢
できるかぎりの準備をしてから、日本政策金融公庫に申し込み、資金調達を成功させましょう。