中小企業経営者にとって、売掛債権をすぐに現金化できるファクタリングはとても便利な手段です。
しかし、業界には信頼できない会社も存在し、高額な手数料や不当な契約条件を押し付けるケースもあります。
この記事では、ファクタリングにおけるトラブル事例を分かりやすく紹介します。
悪徳業者を回避し、安全な資金調達を実現するために、ぜひ参考にしてください。
高額な手数料を請求された
ファクタリングの手数料は法律の規制がないため、ファクタリング会社が自由に手数料を設定できます。
ファクタリング会社や取引形態にもよりますが、一般的には10〜20%の範囲内で設定されています。
オンラインで申し込みが完結するクラウド型では10%以下の手数料を実現しているところもあります。
しかし、中には高額な手数料を請求する悪徳業者も存在しているので、注意が必要です。
30%以上の手数料を提示された場合や、不透明な諸経費が追加された場合は、契約を避けた方がよいでしょう。
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売掛金が回収できずに請求が来た
取引先の倒産などで売掛金の回収ができなかった場合に、ファクタリング会社から支払い(返金)を要求されたという話も聞きます。
しかしファクタリングは債権の売買です。
償還請求権や買取請求権がない(いわゆるノンリコース)ため、返金の必要はありません。
もし売掛金の回収ができずにファクタリング会社から返済を求められた場合、ファクタリングではなく貸付の可能性があります。
つまり、売掛金を担保に資金の融資を受けている状態です。
ファクタリングではなく貸付契約をしてしまわないよう、契約内容をしっかり確認してください。
事前の案内と異なる内容で契約となった
口頭での確認だけで、契約書を用意せず契約を進めようとするファクタリング会社は避けてください。
知らない間に、事前の案内や広告と大きく異なる条件で契約してしまうかもしれません。
たとえば、広告で「手数料が低い!」と掲載されていても、相談に来た顧客に対して「信用情報が悪い」「初回取引ではその手数料率が適用されない」と主張します。
実際の契約内容は、広告とはまったく異なる高額な手数料で設定されてしまうのです。
このようなトラブルを避けるために、会話で提示された手数料を受け入れるのではなく、必ず書面にまとめましょう。
悪徳なファクタリング会社は、契約内容をあいまいにしたり、契約書を残さなかったりして、後から第三者が検証しにくくすることを狙っています。
担保や保証人を要求される
ファクタリングはファクタリング会社に売掛債権を譲ることにより資金調達する方法です。
債権を担保にして融資してもらうのではなく、債権売買によって債権を譲渡するのです。
そのため担保や保証人は必要ありません。
担保や保証人を要求するのは債権担保融資(ABL)という融資であり、貸金業法の規制対象となります。
これは融資の一種なので、利息は貸金業法上の上限である年利15~20%を超えてはいけません。
さらに、債権担保融資(ABL)を行う会社は貸金業者として登録する必要があります。
もしファクタリングを装って担保や保証人を求めてくるなら、違法な高利貸しの可能性を疑ってください。
闇金業者・悪徳業者と知らずに契約してしまうと、返済の負担が重い上に、取り立て・嫌がらせにあうかもしれません。
担保や保証人を求めるような業者との契約は避け、正しいファクタリング契約を提案する会社を探してください。
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2社間なのに、取引先にバラそうとする
ファクタリングには、取引先に債権譲渡通知を送る「3社間ファクタリング」と取引先に告知せずに債権を譲渡する「2社間ファクタリング」があります。
3社間ファクタリングでは取引先にも債権譲渡を知らせるため、「この会社は経営状態が悪い」と気づかれてしまいます。
信頼関係が希薄な場合、取引や依頼が中止・停止になるかもしれません。
一方、2社間ファクタリングでは取引先に知らせずに資金調達できる点がメリットです。
多くの中小企業経営者が2社間ファクタリングを選ぶ理由でもあります。
悪徳なファクタリング会社は、勝手に債権譲渡通知を送ったり、債権譲渡通知を送る意志を伝えてきたりします。
利用者の「取引先に債権の譲渡を知られたくない」という弱みにつけ込み、高額な手数料などファクタリング会社に有利な条件へ変えようとするのです。
相手が信頼できる会社なのか(=取引先へバラそうとしないか)、契約する前にしっかり見極めましょう。
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まとめ
今回はファクタリングのトラブル事例を分かりやすく紹介しました。
ファクタリングは正しく活用すれば資金繰りに有益な手段ですが、安易に選択するとリスクを伴うこともあります。
ファクタリングを検討している中小企業経営者の皆様は信頼できるファクタリング会社を選び、契約書を確実に交わしましょう。