中小企業経営者が資金繰りに苦しむと、悪質なファクタリング会社が付け込んで高額な手数料を請求することがあります。
安易に契約すると闇金業者に騙されてしまうかもしれません。
実際、闇金業者がファクタリング会社を装っているケースもあるため、会社選びは慎重に行い、契約前にしっかりと調査しましょう。
そこで今回は悪質なファクタリング会社の実態は「闇金業者の可能性が高い」と言える4つの理由を説明していきます。
理由1.ファクタリングは誰でも始められる
ファクタリングは法律的には売買契約に基づく債権の譲渡です。
金銭の貸し借りではないため、貸金業の登録は必要ありません。
※ファクタリングを行っているとしても、貸付けと同様の機能を有していると思われるようなものについては貸金業に該当するおそれがあります。
許認可や免許も一切不要なので、誰でも始められます。
つまり、闇金業者であってもファクタリング会社を名乗ることができ、信頼できるかどうかは利用者が判断するしかないというのが現状です。
少しでも不審に思ったら、金融庁の金融サービス利用者相談室に連絡してみてください。
金融サービス利用者相談室への連絡方法
- TEL:0570-016811(平日10時から17時)
- ウェブ:インターネット情報受付窓口
- 郵便:〒100-8967 東京都千代田区霞が関3-2-1 中央合同庁舎第7号館 金融庁 金融サービス利用者相談室
ファクタリングを検討している方は至急現金が必要なケースが多いと思いますが、安易に契約せず、しっかり比較検討しましょうね。
参考:金融サービス利用者相談室 皆様の「声」をお寄せください!:金融庁
理由2.利息制限法よりも高い手数料を設定できる
ファクタリングは、企業が買掛金を短期間で現金化するための手段です。
企業は買掛金を売却することでスピーディーに現金を受け取り、ファクタリング会社は買掛金を割引して購入し、その差額を利益として得ます。
ここで注意したいのが、ファクタリングは原則として貸金業法や利息制限法の対象にはならないという点です。
ファクタリング会社が買掛金を買い取っているだけで「貸付け」をしていないからです。
つまり、ファクタリングは「売買契約」であり「貸付け契約」ではないため、貸金業法や利息制限法の適用外なのです。
この点は闇金業者にとって都合がよいと言えます。
ファクタリング会社が高額な手数料を請求してきて、受け取る金銭が明らかに少ないと感じた場合、契約は避けた方がよいでしょう。
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理由3.ファクタリングを装って貸付を行う
貸金業登録を受けていない闇金業者が、ファクタリングを装って貸付けを行うケースが存在します。
正規のファクタリングであれば契約書に「債権譲渡契約(売買契約)」を明記しますが、「金銭消費貸借契約」の場合はファクタリングではない契約です。
知らずに貸付け契約を結ぶことになるかもしれません。
「ファクタリングの契約書です」と渡されたとしても、きちんと確認しましょう。
なお、貸付け=貸金業を営む場合、貸金業法により登録が必要です。
貸金業法に従っていない会社は法律を守る気がないという意味ですから、利息制限法を上回る利息を設定したり、取り立てをしつこく続けたりといったケースも考えられます。
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理由4.回収できない場合は利用者に請求する
悪質なファクタリング会社は利用者に高額な手数料を請求するだけでなく、回収できない場合には返済を求めることがあります。
こんな契約には注意
- 回収できない場合は利用者が債権を買い戻す
- 回収できない場合は自己資金によってファクタリング会社に支払う
このような取り決めが契約書に含まれている場合、ファクタリングではなく貸付けと判断される可能性が高いです。
貸金業として登録を受けていない業者が貸付けによって利益を得ようとする、この手法は闇金業者と変わりありません。
契約前に書面をよく確認し、悪質なファクタリング会社からの貸付けを受けないように注意してください。
まとめ
今回は悪質なファクタリング会社の実態は闇金業者の可能性が高いと言える4つの理由を説明しました。
悪質なファクタリング会社は闇金かも
- 理由1.ファクタリングは誰でも始められる
- 理由2.利息制限法よりも高い手数料を設定できる
- 理由3.ファクタリングを装って貸付を行う
- 理由4.回収できない場合は利用者に請求する
ファクタリングは利用者にとって便利な資金調達方法ですが、法律で整備されていない部分もあり、闇金業者が紛れ込んでいるリスクが高いと言えます。
ファクタリングで資金繰りを改善したいと考えている方は、悪質なファクタリング会社に騙されないように注意してください。