診療報酬ファクタリングとは?【特徴】医療機関向けの資金繰り改善

診療報酬ファクタリングとは?【特徴】医療機関向けの資金繰り改善

「診療報酬ファクタリング」は、医療機関が保有する診療報酬債権を業者へ売却し、現金化するサービスです。

通常、診療報酬は支払われるまでに時間がかかるため資金繰りに苦労するケースもあります。

しかし診療報酬ファクタリングを利用すると、短期間でまとまった資金を獲得できます。

そこでこの記事では、診療報酬ファクタリングの特徴について分かりやすく解説します。

診療報酬ファクタリングを検討している医療機関の方はぜひ参考にしてください。

診療報酬ファクタリングとは

診療報酬ファクタリングは診療報酬債権を売却し、現金化する手法です。

通常、診療報酬は請求後2ヶ月ほどで支払われますが、診療報酬ファクタリングを利用すると受け取り時期を早められます

医療機関はスピーディーな資金調達が可能になるため、資金繰りの改善や事業拡大などに役立てることができます。

診療報酬ファクタリングの流れ

  1. 医療機関が、国保連・社保に対して診療報酬を請求する
  2. 診療報酬ファクタリング会社に買取を依頼、債権を売却する
  3. ファクタリング会社から医療機関へ、買取代金を入金
  4. 国保連・社保からファクタリング会社へ診療報酬を支払う
関連記事

ファクタリングとは、売掛金をファクタリング会社に売却して資金を調達する方法です。 スピーディーに現金を獲得できる一方で、手数料が高額になってしまうというデメリットもあります。 そこで今回はファクタリングの仕組みや注意点を紹介する[…]

ファクタリングの仕組みとは?手数料や違法性など注意点も解説

診療報酬ファクタリングの特徴

診療報酬ファクタリングの5つの特徴をまとめました。

診療報酬ファクタリングの特徴

  • 特徴1.対象は医療機関
  • 特徴2.入金までの期間が短い
  • 特徴3.借入ではないため負債にならない
  • 特徴4.審査のハードルが低い
  • 特徴5.まとまった金額が手に入る

詳しくみていきましょう。

特徴1.対象は医療機関

診療報酬ファクタリングは診療報酬債権を売却するため、利用できるのは医療機関のみです。

具体的には病院・歯科医院・調剤薬局などです。

診療報酬ファクタリングの他にも介護報酬ファクタリング・調剤報酬ファクタリングが存在し、まとめて買い取ってくれる会社もあります。

特徴2.入金までの期間が短い

診療報酬ファクタリングの大きなメリットは「現金を得られるまでの期間が短い」です。

通常、診療報酬の支払いは診療を行ってから2カ月前後かかります。

請求時から起算しても40日程度の日数がかかるため、施設の経営にとっては現金が必要な場面でも支払い期間に合わせて待たなければなりません。

しかし、診療報酬ファクタリングを利用すれば、2カ月後に入金される予定の診療報酬が、最短1~2週間で入金となります。

スピーディーに現金を得られる上に用途は限られないため、資金繰りの改善だけでなく設備資金や運転資金などに利用できます。

特徴3.借入ではないため負債にならない

診療報酬ファクタリングは売掛金を売却する形で資金調達を行うため、負債(借金や借入金)ではありません

つまり、決算書へ記載しなくてもよく、銀行融資枠を温存できます。

負債が増えず、借入金として扱われないため、銀行融資の審査を受ける際も影響が少ないのです。

また、借入金の場合は返済が発生しますが、診療報酬ファクタリングの場合は返済の必要がありません。

「銀行融資はまだ使いたくないが、資金調達したい」「お金を工面したいが、借金はしたくない」というシーンで診療報酬ファクタリングの活用をおすすめします。

特徴4.審査のハードルが低い

診療報酬ファクタリングは他の融資に比べて審査のハードルが低いと言われています。

一般的な銀行の融資では、クリニックの信用性や財務状況などが厳しく審査されます。

しかし、診療報酬ファクタリングでは売掛先の信頼性が重視されます。

売掛先は国保や社保などの公的医療保険制度であり、その信頼性は極めて高いと言えます。

そのため新規クリニックや経営状況が不安定なクリニックでも、医療ファクタリングを利用すれば審査が通る可能性が高いです。

研究員:柳沢
診療報酬ファクタリングは審査のハードルが低いため、医療機関の経営に困っている方はぜひ申し込んでみましょう。
関連記事

自社の経営状況が厳しいからか、銀行融資に申し込んでも断られてしまった…そんな経営者におすすめなのが「ファクタリング」です。 ファクタリングなら他の融資が受けられない状態でも資金調達できる可能性があるため、ぜひ検討してみてください。 […]

赤字決算・債務超過でもファクタリングは利用できるって本当?理由とメリット

特徴5.まとまった金額が手に入る

診療報酬ファクタリングでは一度に数ヶ月分の診療報酬を譲渡できるため、一度でまとまった金額を入手可能です。

初回の支払いでは平均80%程度の額面が支払われ、診療報酬の支払い金額が確定してから差額を支払う仕組みになっています。

例えば、「新しい医療機器を購入したいが、すぐに大金を調達するのは難しい」「ボーナスや退職金など短期でまとまった資金が必要」といった場合にも診療報酬ファクタリングが有効です。

研究員:柳沢
手数料はかかるものの、すぐにまとまった資金を調達できる点は、医療機関によって嬉しいポイントですよね。
関連記事

ファクタリングは魅力的な資金調達手段として注目されていますが、「違法」「闇金」といった良くない話も聞きますよね。 しかし、ファクタリング自体は法律的に問題なく、中小企業経営者の皆さんも利用できます。 今回はファクタリングに関連す[…]

ファクタリングはグレーゾーン?法律の仕組み・悪質な会社の見分け方を解説

まとめ

今回は診療報酬ファクタリングの特徴を分かりやすく説明しました。

診療報酬ファクタリングの特徴

  • 特徴1.対象は医療機関
  • 特徴2.入金までの期間が短い
  • 特徴3.借入ではないため負債にならない
  • 特徴4.審査のハードルが低い
  • 特徴5.まとまった金額が手に入る

他の融資で断られた場合や今すぐに資金調達したい場合に診療報酬ファクタリングを活用すれば、資金繰りの改善につながります。

研究員:柳沢
この記事を参考に、診療報酬ファクタリングを検討してみてくださいね。