ファクタリングは資金調達方法として中小企業におすすめできますが、中には悪質な金融業者による「偽装ファクタリング」も存在します。
日本貸金業協会も注意喚起するほど流行しているようなので、気をつけなければあなたも騙されてしまうかもしれません。
そこで今回は偽装ファクタリングと正規ファクタリングの5つの違いを紹介します。
詐欺ファクタリングの被害に遭わないために、契約を交わす前にしっかり見極めましょう。
手数料が高すぎて、手元に残る金額が少ない
2社間ファクタリングの手数料は10〜20%、3社間ファクタリングだと1〜9%が一般的です。
悪質な金融業者はこの手数料を大幅に上回る手数料を提示し、利益を増やそうとしています。
ここで注意したいのは、偽装ファクタリングはファクタリングを装いつつ、実際は貸付を行っている点です。
ファクタリングは債権の売買のため貸金業法や利息制限法は適用されませんが、貸付となると話は別です。
利息制限法では、上限金利は借入金額に応じて年15%〜20%と定められていますが、中には年120%など法外な手数料を要求する場合もあります。
手数料が高いということは受け取り代金が減ってしまい、ファクタリングの効果が薄くなります。
一見条件が良いように見えても、実際は利用者に不利な条件というケースもあるため、手数料をしっかり確認するようにしましょう。
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業者が未回収リスクを負わない
正規ファクタリングでは、ファクタリング会社は買い取った債権に対して未回収リスクを負います。
たとえ売掛先が倒産して回収できなくなっても、ファクタリング会社が負担するため利用者が弁済する必要はありません。
難しい用語を使うと「償還請求権や買取請求権がない」「ノンリコース」ということになります。
一方で、偽装ファクタリングでは回収できない場合は利用者に買い戻しを要求します。
つまり、せっかく売掛金を現金化できたと思っても、また売掛金を負担しなければいけないのです。
契約を交わす前に、償還請求権や買取請求権の有無について必ずチェックしましょう。
審査通過率100%など甘い言葉で誘う
偽装ファクタリングは甘い言葉を使い、資金繰りに苦しんでいる経営者を捕まえようとしています。
こんな言葉に注意
- 審査通過率100%
- 迅速な審査
- 審査不要
- 即日で現金化
- 手数料が安い(1〜5%)
- 電話一本で融資
- 誰でもOK
- 他社で断られた方もOK
正規ファクタリングは売掛債権の信用力や回収リスクを慎重に審査するため、審査通過率100%ではないですし、審査時間もかかります。
手数料が高すぎる場合はすぐに警戒できると思いますが、手数料が安すぎるのも危険です。
2社間ファクタリングの手数料は10〜20%が一般的で、実際に契約に進むと手数料が上がるかもしれません。
「保証料」「登記手数料」「交通費」などを上乗せして請求する可能性も考えられます。
契約書を提示しない、控えを渡さない
正規ファクタリングでは通常「債権譲渡契約書」が作成され、控えを渡してもらえます。
契約書に書かれる主な項目
- 手数料
- 担保、保証人
- 報告義務
- 違約金、損害賠償
- 契約解除の条件
- 契約期間
- 解約方法
- 債権譲渡通知
- 債権譲渡登記
- 償還請求権
怪しい業者の場合には契約書を渡すどころか提示すら断る場合もあります。
拒む理由は、その契約書に違法が含まれていると分かっているためです。
違法取引の証拠が残っていると、あとで問題になったとき不利になります。
だからこそ契約書を「渡してくれない」「見せてくれない」業者は偽装ファクタリングの可能性が高いため、取引をやめるようにしましょう。
事業所・固定電話・公式サイトがない
真っ当なビジネスをしている会社なら、事業所・固定電話・公式サイトは用意しているはずです。
悪質な金融業者の場合、携帯電話のみでやり取りを終わらせようとし、事業所の詳細を伝えようとしません。
そもそもファクタリング会社が存在するかどうか怪しいものです。
こんなファクタリング会社は怪しい
- 事業所の住所が分からない
- 資本金が分からない
- 代表者名が確認できない
- 固定電話を教えてくれない
- 検索しても公式サイトがヒットしない
- 面談をしようとしない
- 口座情報が個人名
ファクタリング会社自体がないのに「ファクタリングを行います」とうたっているのは、明らかにおかしいでしょう。
契約してみたら詐欺ファクタリングだった、なんてことにならないよう十分注意してください。
まとめ
今回は偽装ファクタリングと正規ファクタリングの違いを紹介しました。
偽装ファクタリングと正規ファクタリングはどう違う?
- 手数料が高すぎて、手元に残る金額が少ない
- 業者が未回収リスクを負わない
- 審査通過率100%など甘い言葉で誘う
- 契約書を提示しない、控えを渡さない
- 事業所・固定電話・公式サイトがない
簡単にまとめると、ファクタリングを装ってあなたからお金を奪おうとしているのが「偽装ファクタリング」です。
ファクタリングを検討している方は、悪質な金融業者にだまされないよう気をつける必要があります。
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