【信用金庫の融資】審査基準とは?通過率を上げるポイントを解説

【信用金庫の融資】審査基準とは?通過率を上げるポイントを解説

事業拡大や新規事業のために信用金庫の融資を検討している中小企業経営者のあなたへ。

地域密着型の信用金庫は独自の審査を行うため、銀行で融資を断られた人も利用できる場合があります。

具体的な審査基準は公開されていませんが、おおよその審査基準は推測できます。

そこで今回は信用金庫の融資における審査基準と通過率を上げるポイントを解説していくので、申し込み前にチェックしてみてください。

経営者個人の信用力

信用金庫の審査において重視されるのは、融資対象者の信用力です。

信用力とは「返済能力を持っているかどうか」という意味で、具体的には「信用情報に傷がついていないか」「保証人を用意できるか」などをチェックされます。

特に注意したいのが、信用情報です。

経営者がクレジットカードやローンの返済を滞納している場合、たとえ企業の業績が良くても審査には落ちてしまいます。

信用情報に傷がつくケース

  • 支払いを延滞している
  • 過去に債務整理をした
  • 返済できず、クレジットカードが強制解約になった
  • 返済できずに保証会社が代わりに返済した(保証履行)

信用情報に傷がつく、いわゆるブラックリスト状態になると、返済から5年程度経たないと信用情報が改善されません。

信用金庫の融資や銀行融資はもちろん、新しいクレジットカードやローンの審査にも通らなくなります。

研究員:柳沢
現在、延滞・未払いしている状態ならできるだけ早く返済して、信用情報が修復してから信用金庫に相談しましょう。

事業計画・返済計画

信用金庫の融資審査では事業計画や返済計画なども確認されます。

事業計画が明確かつ返済計画が具体的に示されている場合は、融資審査に有利になります。

信用金庫は融資審査において個別対応を行うことが多いため、審査の過程で担当者とのコミュニケーションをしっかり取りましょう。

返済能力や事業計画などを分かりやすく説明し、担当者が良い印象を抱けば、その分融資審査に通りやすくなる可能性が上がります。

信用金庫へ融資申し込みする前に、事業計画や返済計画を税理士や中小企業診断士・商工会議所などにチェックしてもらうとよいでしょう。

融資の目的

信用金庫の融資をどのように使う予定でしょうか?

「つなぎ資金として」「新規事業の立ち上げに使いたい」とさまざまだと思いますが、用途によって審査基準も異なるため注意が必要です。

例えば資産形成のための不動産購入に対する融資は、抵当権設定による担保があるため、比較的審査基準が緩めになります。

一方、事業拡大や新規事業の立ち上げに対する融資はリスクが高いため、審査基準が厳しくなります。

事業計画書の提出が求められたり、事業計画の妥当性が審査されたりする場合があります。

他にも「融資の借り換え」や「他の借入の返済」といった使い道もできますが、目的によっては断られるケースも考えられます。

信用金庫へ相談する前に「何に使いたいのか」「本当に融資を受けるべきか」を整理し、担当者に必要性をアピールできるようにしましょう。

事業の安定性

事業の安定性も審査基準のひとつです。

特に新規事業の場合は、事業計画の妥当性や将来性が審査のポイントとなります。

継続的に収益を上げていけるかどうかを確認するために以下のような項目がチェックされます。

事業の安定性チェック

  • 資金繰り状況
  • 将来のキャッシュフローの見通し
  • 利益率が適正かどうか
  • 過去数年間の売上高の推移
  • 顧客基盤の状況や営業活動の状況

「事業が安定している=返済能力が高い」と判断してもらうために、具体的な数字(データ)を根拠として提出しましょう。

信用金庫との関係

信用金庫は地域密着の金融機関のため、地域に根ざした企業は融資を受けられる確率が上がります。

また、資金繰りのアドバイスや経営計画の策定支援を事前に受けていると審査がスムーズになります。

まずは信用金庫の会員となり、信用金庫や地域との関係性を構築しましょう。

信用金庫の会員になるには以下のような条件を満たす必要があります。

信用金庫の会員になるには

  • 会員費(出資金)を支払う
  • 営業地区内に事業所を持っているまたは住んでいる
  • 中小企業経営者(常時使用する従業員が300人以内)、または個人事業主

これまで信用金庫と関わりを持たなかった中小企業がいきなり融資を申し込んでも受けられない可能性が高いので、検討している方は早めに会員になっておくとよいでしょう。

研究員:柳沢
住民のニーズに合わせた商品など、地域経済の発展に貢献する事業は有利と言えます。

まとめ

今回は信用金庫の融資における審査基準と、通過率を上げるポイントを解説しました。

信用金庫の審査基準

  • 経営者個人の信用力
  • 事業計画・返済計画
  • 融資の目的
  • 事業の安定性
  • 信用金庫との関係

地域に根ざした信用金庫からの融資を活用すると、事業の拡大や新しい取り組みを行うことができます。

しかし融資審査は他の金融機関とは異なるポイントもあり、審査基準に合わせてしっかりと準備をしなければいけません。

研究員:柳沢
信用金庫の審査基準を理解し、必要な書類を用意して、融資の成功を目指しましょう。