初めて創業融資を申し込む際、面談時にどのような質問がされるのか不安ですよね。
質問に対して正直かつ具体的な回答をすることが、融資審査を通過するための重要な要素のひとつです。
そこで今回は創業融資の面談で聞かれる質問と起業家が知っておくべきポイントを紹介します。
事前に質問についてしっかりと考え、融資審査の合格を目指しましょう。
創業の動機
担当者は「ビジネスを始める動機」を確認することで、将来性や創業者の意欲を把握しようとします。
「仕事を探していたため」「失業したため」などネガティブな動機では、いきあたりばったり感を与えてしまい、悪印象になります。
なぜこのビジネスを始めたいと思ったのか、背景を具体的に説明してください。
創業の動機
- これまでの人生経験や業界経験
- どのように社会や業界に貢献していきたいか
- ビジネスを通じて達成したい目標やビジョン
- 子どもの頃からの夢
経営者の略歴
ビジネスが成功するかどうかは、経営者自身の経歴や能力がひとつの基準です。
略歴を聞かれたら、これから始めたいビジネスに関連する経験を伝えましょう。
経営者の略歴
- 業界経験、職務経験
- 前職での業績
- 失敗体験(どのように乗り越えたか、どのような教訓を得たか)
- 取得資格
- 知的財産・特許権・商標権など
ただし、自分自身を過大評価したり、逆に貶めたりすることは避けましょう。
これまでの経験から得た教訓をもとに、どのようにビジネスを発展させていくかを答えると効果的です。
他社との違い
これからビジネスを始める場合、競合他社との違いを明確にしなければいけません。
もし他との違いが明確でない、または全く存在しない場合、今から参入しても厳しい戦いになります。
つまり、融資を受けても返済できないリスクが高まるため、担当者は差別化について確認します。
アイデアやプランが既存の商品とはどのように異なるか具体的な説明をしましょう。
差別化を説明
- ライバルにはない独自の商品・サービス
- 顧客のニーズに合った高品質な商品・サービス
- 競合他社にはないビジネスモデル
自己資金
「自己資金の金額」と「どのように貯めたか」は、創業者が事業に真剣に向き合っているかどうかを判断されるポイントです。
例えば日本政策金融公庫の新創業融資制度では、自己資金の目安は「創業資金総額の10分の1以上」としています。
新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を1期終えていない方は、創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金(事業に使用される予定の資金をいいます。)を確認できる方
自己資金の金額が多ければ有利ですが、そこまで用意していなくても正直に金額を答えることが望ましいです。
加えて、自己資金を貯めるために努力していたと述べましょう。
例えば「副業で収入を得ていた」「以前から貯金していた」とアピールすれば、事業への真剣さが伝わります。
売上計画
事業計画に基づく現実的な売上目標があるかどうかを確認するために、「売上計画」について聞かれます。
売上の根拠については、具体的なデータを引用することが求められます。
売上の根拠
- 事業計画
- 市場調査結果
- 競合他社の売上推移
- 過去の実績
- 業界のトレンド
売上目標があまりにも高すぎる=現実的ではない場合、担当者から不信感を持たれることもあります。
「これぐらい売れたらいいな」といった希望的観測ではなく、数字をもとにして売上計画を立てるようにしましょう。
自分自身で売上計画・事業計画を作るのが難しいと感じたら、中小企業診断士や税理士・行政書士などの専門家にサポートを依頼してください。
借入状況
創業者の財務状況を確認するために、現在の借入状況も確認されます。
他社での借入が全くない状態であれば有利ですが、「消費者金融から借りている」「返済を滞納している」といったケースでは審査に通るのは難しいでしょう。
ただし、すでに他社から借入していると創業融資を受けられない、という訳ではありません。
正直に借入状況を報告し、事業計画にどのように影響するかを説明しましょう。
例えば返済計画や借入金額の削減計画など、借入状況を改善するために取り組んでいることを明確に示します。
「事業を運営する上で財務面に対するリスク管理能力を持っている」という印象を担当者に与えられるでしょう。
まとめ
今回は創業融資の面談で聞かれる質問と、起業家が知っておくべきポイントを紹介しました。
創業融資の面談で聞かれる質問と回答のポイント
- 創業の動機:人生経験や業界経験をどう活かしたいか説明
- 経営者の略歴:ビジネスを発展させるための能力を持っていると説明
- 他社との違い:既存の商品とはどのように異なるかを説明
- 自己資金:金額と貯め方を正直に説明
- 売上計画:具体的なデータに基づいて説明
- 借入状況:他社借入の金額や返済状況を説明
質問に対して、正直に具体的に回答することを忘れないでください。