資金調達は大きく4つの種類に分けられます。
資金調達の主な種類
- デット・ファイナンス：金融機関や投資家からお金を借り入れる
- エクイティ・ファイナンス：出資を受けるかわりに株式を発行する
- アセット・ファイナンス：資産を現金化する
- 補助金・助成金：国や地方自治体からの支援金を受け取る
今回はそれぞれの具体的な方法とおすすめのシーンも紹介していくので、ぜひチェックしてみてください。
お金を借り入れる「デット・ファイナンス」
「デット・ファイナンス」とは金融機関などから融資を受けることです。
お金を借りる形になるため月々返済していく必要はありますが、一度に高額の資金を獲得できる点がメリットです。
日本政策金融公庫からの融資
日本政策金融公庫は資金調達しやすい点が魅力です。
そもそも中小企業・個人事業主をサポートする目的で作られたため、銀行融資や他の融資で断られるような人も利用しやすくなっています。
例えば「女性、若者／シニア起業家支援資金」では、対象者が「新しく事業を始める女性または35歳未満か55歳以上」と幅広く設定されています。
他にもさまざまな融資制度があるので「初めて資金調達をしたい人」「創業のタイミングで融資を受けたい人」におすすめできます。
金融機関からの融資
金融機関からの融資は大きく2種類に分けられます。
銀行から直接借り入れて返済していく「プロパー融資」、信用保証協会による「保証付融資」があります。
「プロパー融資」はもし企業が返済できなくなったら銀行が損をすることになるため、融資の審査がとても厳しいのが特徴です。
一方で金利が低く、限度額も原則上限がなく、信用力によって数億を借りられるケースもあります。
「保証付融資」は信用保証協会の保証がついている、つまりもし返済できなくなっても信用保証協会が弁済するため、銀行としては貸倒リスクが下がります。
審査はプロパー融資よりもやさしい一方で、融資利率が高く、信用保証協会への保証料も発生します。
設備投資などのために高額な融資を受けたい場合はプロパー融資を、プロパー融資では審査が通らない場合は保証付融資を選ぶとよいでしょう。
クラウドファンディング
「クラウドファンディング」はインターネットで不特定多数の人から資金を募る手法です。
目標額が集まればプロジェクト成立、その後リターン（お返し）するという流れが一般的なので、デット・ファイナンスに含まれるでしょう。
自己資金が不足していても資金調達してから事業をスタートできますが、逆に言えば資金が集まらなければ商品化・サービス化が難しくなります。
「プロジェクトの賛同者を集めたい」「ニーズがあるかを確認してから商品化したい」といったケースには向いているでしょう。
株式を発行する「エクイティ・ファイナンス」
「エクイティ・ファイナンス」は、自社の株式を購入してくれる投資家を探し、株式を買い取ってもらうことを指します。
デット・ファイナンスと異なり返済期限は原則なし、利息も発生しない点がメリットです。
具体的には「新株発行」や「ベンチャーキャピタル」が挙げられますが、上場企業やベンチャー企業向けのため中小企業ではあまり選ばれない資金調達方法です。
資産をお金に変える「アセット・ファイナンス」
「アセット・ファイナンス」は保有している資産や将来生み出すであろう価値をもとに資金調達することを指します。
ファクタリング
中小企業がアセット・ファイナンスを検討するなら「ファクタリング」が最も現実的でしょう。
ファクタリングは売掛債権や在庫を売却し、現金化する方法です。
最短で即日入金とスピーディーなため「資金繰りが苦しい」「今すぐ現金が必要」といったケースに向いています。
リースバック
「リースバック」とは自宅などの不動産を売却してから賃貸契約を結び、利用を続けることを言います。
リースバックは融資ではないため銀行などの審査が必要なく、財務状況が悪い中でも利用できます。
さらには完全に束なすわけではないので引越ししなくてもよく、外から見ると何も変わりません（バレません）。
「銀行の審査には落ちてしまった」「自宅に住み続けたい」という経営者におすすめの方法です。
補助金・助成金を受ける
国や地方自治体から支給される補助金や助成金は、基本的に返済不要です。
代表的なものには「事業再構築補助金」「ものづくり補助金」「IT導入補助金」があります。
要件を満たしていればほぼ確実に受給できるようになっています。
「返済の心配をしたくない」「販路開拓やITツール導入を検討している」といった事業者におすすめです。
まとめ
今回は資金調達の具体的な方法と選び方を紹介しました。
資金調達は「デット・ファイナンス」や「エクイティ・ファイナンス」といった大まかな種類に分けられます。
その中で中小企業がよく利用するのが「デット・ファイナンス」、特に日本政策金融公庫は使い勝手が良いです。