ファクタリングには「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」があり、それぞれメリット・デメリットが存在します。
初めてファクタリングを利用したい人は「どう違うのか?」「どちらを選べばいいのか?」と困ってしまいますよね。
そこで今回は2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの4つの違いについて解説しますので、自社にどちらが合うのか考えてみてください。
売掛先に承諾を得るかどうか
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの大きな違いは、売掛先が取引に加わるかどうかです。
2社間ファクタリングは自社とファクタリング会社の2社で取引が完了するため、売掛先にはファクタリング利用を伝える必要はありません。
しかし3社間ファクタリングは自社とファクタリング会社・売掛先の3社で取引が行われます。
売掛先に債権譲渡を通知して承諾を得てから、現金化へと進みます。
中小企業のほとんどは2社間ファクタリングを選びますが、その理由は「売掛先に利用を知られたくないから」です。
ファクタリングを使うということは資金繰りが苦しいことを意味するため、今後の取引に影響を及ぼすかもしれません。
売掛先に経営状況を心配されたくない場合は2社間ファクタリングを、売掛先になんでも話せるほど長年の付き合いがあるという場合は3社間ファクタリングを選ぶとよいでしょう。
手数料が高いか低いか
ファクタリングは手数料を支払いますが、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングでは手数料率が変わります。
一般的には、2社間ファクタリングの手数料は10〜20%、3社間ファクタリングの手数料は1〜10%となっています。
ここまで手数料に差が出るのは、未回収リスクが原因です。
2社間ファクタリングの場合、売掛先から売掛金を回収するのは利用者です。
資金繰りが悪化していれば、ファクタリングの支払いよりも他の支払いにお金を使ってしまうかもしれません。
つまり回収できないリスクを踏まえて、2社間ファクタリングの手数料は高めに設定されているのです。
一方3社間ファクタリングの場合、売掛先が直接ファクタリング会社に売掛金を支払うため回収できる可能性は高くなり、その分手数料が低くなっています。
債権譲渡登記が必要か不要か
2社間ファクタリングを申し込むと、債権譲渡登記を求められる場合があります。
「債権譲渡登記」とは、債権を譲渡したことを記録する手続きです。
売掛金(売掛債権)は不動産のように目で確認できるものではないですよね。
そこで「ファクタリング会社が権利を保有している」と明確にしておくと、トラブルを回避できるのです。
債権譲渡登記のメリット(ファクタリング会社側)
- 二重譲渡を防げる
- 法的証拠として使える
- 使い込みに対する資産の差し押さえが可能
例えば複数の相手へ債権を譲渡(二重譲渡)した場合、売掛金を受け取れなかった業者は損失を被ります。
債権譲渡登記をしていれば登記情報によって、誰が債権を保有しているかハッキリしますよね。
注意点としては、登記費用を負担することになり、司法書士への報酬や登録免許税として数万円から10万円程度がかかる点です。
その分、手元に残るお金が減ってしまうので「思ったより資金が用意できなかった…」と困るかもしれません。
なお、3社間ファクタリングでは債権譲渡登記が原則不要です。
売掛先に対して通知・承諾後に契約となるため、登記をしなくても債権の保有者が明確だからです。
最短即日、現金化できるかどうか
ファクタリングのメリットは、なんと言っても現金が手に入るまでのスピードです。
売掛金は実際に入金されるまで1〜2ヶ月かかるのが一般的。
資金調達として定番の銀行融資でも、3週間から1ヶ月という時間を要します。
現金化が遅れると仕入れ代金や給料・その他経費にあてる資金がなくなり、倒産に追い込まれる可能性も…。
しかしファクタリングを使えば現金化までの日数を短縮できます。
できるだけ早く現金へと変えたい中小企業や個人事業主には嬉しいですよね。
特に2社間ファクタリングは早ければ即日現金化されるので、急ぎの資金調達に役立ちます。
3社間ファクタリングでは売掛先への説明や承諾が必要となるため1〜2週間が目安です。
すぐにでもお金が必要なら2社間ファクタリング、多少時間に余裕があるなら3社間ファクタリングを選んだほうがよいでしょう。
まとめ
今回は2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違いについて解説しました。
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違い
- 売掛先に承諾を得るかどうか
- 手数料が高いか低いか
- 債権譲渡登記が必要か不要か
- 最短即日、現金化できるかどうか
どちらにもメリット・デメリットがあるので、どちらが向いているかは状況によって変わります。