資金調達としてクラウドファンディングを考えている方へ。
クラウドファンディングは全国から資金を集められますが、特に初めて挑戦する場合はなかなか上手くいかないのが現状です。
そこで今回はクラウドファンディングを始める前に知っておきたい失敗事例を紹介します。
VTuberが80万円を着服
Vtuber・環右金(たまき・うこん)さんはアルバム製作を目的としたクラウドファンディングを実施しました。
約80万円集まりましたが、そのお金はアルバムを作るためではなく、生活費として利用していたことが分かりました。
環右金さんは謝罪時に、返金対応と無期限の活動休止を発表しました。
クラウドファンディングは計画を実行するための支援金を集めるもので、目的と異なる用途と分かれば支援者は納得できません。
コロナの関係で生活が苦しい方もいるかと思いますが、クラウドファンディングで集まったお金を生活費にあてるのは絶対に避けなければいけません。
環右金の最善手は、リターンが履行できない経済状況になった時点でそれを正直に表明し、支援金の着服をしないことだった。勿論、コロナ禍によって失職したのは兼業VTuberとしては痛手だろうが、様々な制度の活用をするべきだったし、いずれにしても支援金を目的外に使うのは間違っている。
— こちら4丁目@話題限定 (@emuoyt4aritok) March 16, 2022
和歌山市が趣旨と違う目的でお金を使った
和歌山市は動物愛護のために犬猫の不妊去勢手術を行うとして、クラウドファンディングを募りました。
集まったのは約2,790万円。
猫砂などの消耗品・手術用の備品・ワクチンや麻酔薬の購入に使われましたが、他にも印刷製本費・自動車保険料や賃借料などにも使われていたそうです。
しかも一度「寄付金は使い切った」と説明したものの、後日、約1,370万円が残っているとのこと。
動物愛護に共感して寄付した人の立場を考えると、「まったく関係ないことにお金を使われた」「もっと設備投資などできたのではないか」と憤慨するのも当然です。
『和歌山市のクラウドファンディング 動物愛護④』
薬・エサじゃなくご飯代が掛かるわけなのに、どうして印刷製本費等に
使うんだろう
クラウドで集めた趣旨と関係ないし、第一、寄付をしてくれた人の
事を何も考えていない、ワンちゃん・ネコちゃんのタメの寄付なのに。— rewa2019 (@rewa20191) September 25, 2020
キングコング西野さんが電車賃を募る
キングコング 西野亮廣さんは、新宿〜五反田の電車賃(170円)のためにクラウドファンディングを利用しました。
12万以上集まりましたが、実際にはすべて返金となりました。
その理由は規約違反です。
リターン(お返し)として設定した「100億円あげます(たぶん)。」は、禁止されている”換金性の高いもの”に該当すると判断されたのです。
そもそも電車賃に困るほど生活困窮してはいないでしょうし、「寸借詐欺にあたるのでは」「人の善意につけ込んでいる」といった口コミも上がりました。
キングコングの西野さんが昔電車賃が無いって募金を募ったのに嘘だったというアレ、あれをネタとしてやっていたのだとしたら、今回の三億円事件()も相まって、もう本当に彼は芸人さんじゃなくただの知名度の高いつまらない人になってしまうな。
— タオル買うの忘れないPPMPP (@tasotasojizou) June 6, 2018
令和納豆、「一生無料」リターンを没収
納豆ご飯専門店「令和納豆」は1万円のリターンとして「納豆ご飯セット一生涯無料パスポート」を用意していました。
たった1万円で今後無料で食べられるなんてお得ですよね。
しかし後日、支援者が一生涯無料パスポートを使おうとしたところ没収されるというトラブルが発生しました。
その理由は「無料のメニューしか注文していないから」「アンケートに答えてくれないから」といったもの。
クラウドファンディングのページにはそのような利用規約は記載されておらず、「詐欺」「一生無料をかたって資金集め」と炎上しました。
最終的には裁判に発展、令和納豆が敗訴し、その後賞味期限改ざん疑惑も出たことにより閉店となりました。
このような事態を避けるには、「リターンは本当に実行できるかどうか」「リターンの条件」などをしっかり見極める必要があります。
2019年にクラファンでの開店が話題になったあと、その翌年クラファンのリターン(一生涯無料パスポート)を客から没収し、その後の横柄な釈明もあいまって炎上後に裁判沙汰にまでなっていた『令和納豆』が、去年閉業していたことをいまさら知った。コロナ禍で商売はねばり切れなかった模様。 pic.twitter.com/m46EGoOmsB
— まことぴ (@makotopic) April 1, 2022
アプリ制作、声優へオファーする前に支援を募る
ゲームアプリ「アズールレーン×ケッコンVR」はキャラクターと疑似結婚できるとして注目を浴びました。
しかしクラウドファンディングは中止、返金対応となります。
通常、このような企画では声優事務所へオファーを行ってから支援を募るのですが、今回は声優事務所の許諾なしにプロジェクトを進めてしまったようです。
そのため「まだ契約していない声優の名前を記載」「用意できるかわからないリターン提示」といったミスが発生したのです。
おそらく運営企業が複数であり、業務内容の分担・責任が曖昧だったために起きたことかと思います。
ケッコンVR、まさかの中止。
しかも各声優事務所へオファーを入れず、見積もりなど正式な業務受発注をしないままプロジェクト進行とかグダグダすぎるだろ…。https://t.co/40klYc744z— 平松タクヤ@2022初秋(?)イベE6-4甲クリア (@Februar_dd) October 10, 2018
まとめ
今回はクラウドファンディングを始める前に知っておきたい失敗事例を紹介しました。
クラウドファンディング失敗例
- VTuberが80万円を着服
- 和歌山市が趣旨と違う目的でお金を使った
- キングコング西野さんが電車賃を募る
- 令和納豆、「一生無料」リターンを没収
- アプリ制作、声優へオファーする前に支援を募る
クラウドファンディングは資金調達として良い方法ではありますが、トラブルも発生しやすいので注意が必要です。
今回紹介した失敗事例から対策を学び、自社のプロジェクトを磨いていきましょう。